出会い系サイトに関わる法律
出会い系サイトでトラブルに巻き込まれないよう、また運悪く巻き込まれてしまったときに、役に立つ法律の知識をご紹介します。
目次
【1】電子消費者契約法
悪質サイトによって不正(不当)請求があった場合は、まず電子消費者契約法に違反していないかを確認しましょう。
電子消費者契約法は電子商取引などにおける消費者の操作ミスの救済を目的とした法律です。無料画面だと思ってクリックしたら「有料」ということで、代金を請求されてしまった…などという場合に、消費者が間違わないような“適正な処置”がされていないものは消費者の申込自体を無効とする法律です。
消費者が間違わないような“適正な処置”とは具体的には以下のことを満たしていなければなりません。
- 事業者は、申込みボタンを押した後に、消費者が入力した申込み内容を一度確認させるための画面などを用意する必要があります。
- また、申込みボタンを押すことにより購入(有料)になるということを、ボタンを押す前にわかるように明示しなくてはなりません。
つまり、有料とわかるように表示していないものは無効なわけです。有料の表示や確認画面が無かったかどうかを思い出してみて下さい。もし無かったのであれば、無効ですので安心して無視してください。
しかし悪質サイトは巧妙です。なんとなくは表示してある場合もあるでしょう。そんな場合は消費者契約法を確認してみて下さい。
【2】消費者契約法
法律の知識や情報に詳しい業者によって弱い個人が泣かされるケースが増えてきたため、弱者を救済する心強い法律が新たに制定されました。それが消費者契約法です。
- 誤認して契約してしまった。(料金がかかるのに無料だと嘘をつかれたような場合には契約を取り消すことができるということです。)
- 都合の悪いことは教えてもらえなかった。(利用料金がかかるのに、入会登録まで特にそのような記述が無いような場合です。)
- キャンセル料が法外に高い。(規約に載っているからという理由でいくら請求してこようとも契約自体を取り消すことによって、支払う義務はなくなります。)
- いかなる理由があろうと解約できない等、著しく消費者に不利益。(その他著しく消費者に不利益な規約も、契約を取り消せます。常識を外れたおかしな規約を勝手に作っても無効になるということです。)
上記は悪質な出会い系サイトによる被害に関係が深いと思われる部分です。上記のいずれかの項目に当てはまる場合は契約を取り消すことができます。
ただし消費者契約法で注意を要するのは、勘違いして契約したと気づいてから6ヶ月もしくは契約をした日から5年以内に契約を取り消さなければなりません。
契約を取り消す方法としては口頭でも構わないのですが、口頭だと「聞いていない」と相手に主張される恐れもあるので書面で通知するのが一般的です。また、書面にて通知する際は内容証明郵便にする方がより確実です。「受け取っていない」と主張されることもあるためです。書面の書き方については、法律に詳しい方に確認してもらうようにして下さい。弁護士の無料相談等を利用するといいでしょう。
【3】クーリングオフ
皆さんも“クーリングオフ”という言葉を一度は耳にした事があるんじゃないでしょうか?訪問販売などでついつい購入してしまった商品…でも、後でよくよく考えた結果、やはり必要ないと思った場合に一定期間内であれば消費者が無条件で契約解除ができるあの制度です。
しかし、この制度は出会い系サイトには適用されないのです。
ただ、出会いサイトで知り合った女性に宝石、毛皮製品、絵画、エステ商品、会員権などの高額商品を買わされた(つまりデート商法に遭った)という場合には訪問販売にあたることが多いので、8日間であればクーリングオフが適用される場合があるようです。
また、クーリングオフの期間がすでに過ぎてしまった場合などで、クーリングオフができない場合でも、事務所から帰してもらえずに仕方なく契約したのであれば消費者契約法の退去妨害により契約を取り消す方法もあります。
クーリングオフの方法については書面で行うと法律で定められています。こちらも、消費者契約法同様、内容証明郵便で行うことをお勧めします。
【4】少額訴訟
これまで一貫して、不当な架空請求に対しては「一切無視するように」と警察や全国各地の消費生活センターが伝えてきました。ところが、ここに来て「無視していたら大変なことになる請求もある。」という情報が出てきたのです。
それが、“少額訴訟”に持ち込まれるというケースです。
少額訴訟にかかる費用は印紙代500円〜3000円+切手代ぐらいなものなのです。ですから、これらを利用して悪質業者は不正請求をしてきます。
「いつもの架空請求だろうから無視しておこう」とそのまま放置してしまうと、正当な理由なく審理を欠席したとみなされ、原告の不戦勝になってしまうのです。つまり、無視をして放って置くと正式な債権になってしまい、絶対に料金を支払わないといけなくなってしまうわけです。
しかし、まずは落ち着いて本物の少額訴訟の呼出状であるかどうかを見分けましょう。
- 「特別送達」と記載された、裁判所の名前入りの封書で送付されているかどうか。
- ただポストに入っていたのか、郵便職員が直接あなたに渡したのか。(呼出状は名宛人に手渡すのが原則であり、はがきや普通の封書のように郵便受けに投げ込まれることはありません。また、郵便職員から受け取るときは「郵便送達報告書」に受け取った人の署名又は押印をするよう求められます。)
- 裁判所で付した少額訴訟の呼出状の「事件番号」・「事件名」が記載されているかどうか。
これらの特徴から、裁判所からの本当の通知であるかどうかを見分けることができます。 これまで通り、メール、ハガキ、封書、電話などによる「架空請求」は無視していいのですが、裁判所からの「呼出状」に対してはそのまま放置せずに消費生活センターや弁護士などに相談して下さい。
【5】出会い系サイト規制法
出会い系サイトに関連した事件に未成年者が巻き込まれるのを防ぐ為に施行された法律です。具体的にどういった事が駄目なのかと言うと、
- 児童に性交渉を持ちかける事
- 「中学生〜高校生くらいでえっち好きな女の子いませんか?」等の書き込みをしたり「16歳のアイでぇす♪えっちが好な年上の人に会いたいなぁ。」等の書き込みに対して返事を出したりする事。
- 児童に金銭等を伴う異性交際を持ちかける事
- 「¥に困ってる女子高生がいたらサポートするよ。」等の書き込みをしたり「中学生のマイです。お小遣いくれれば会ってもいいよ!」等の書き込みに対して返事を出したりする事。
- 他人に児童との性交渉を持ちかける事
- 「H好きな高校生を紹介して下さい!」等の書き込みをしたり「18歳未満のロリっ娘いますよ♪」等の書き込みに対して返事を出したりする事。
- 他人に金銭等を伴う異性交際を持ちかける事
- 「確実に会える女子高生を紹介して下さい。モチロンお小遣い付き。」等の書き込みをしたり「¥でデートOKの中学生を紹介します。」等の書き込みに対して返事を出したりする事。
違反者は100万円以下の罰金(第6条・第16条)となります。また、児童が不正な書き込み行為をしても、罰則の対象になります。
もし、上記の例のような書き込みが放置されているようなサイトがあったとしたら管理体制も疎かで信用も出来ないサイトです。即退会しましょう。
【6】淫行条例
各都道府県によって「青少年保護育成条例」や「青少年健全育成条例」などと名称も内容も異なるのですが、この条例には大きく分けて2つのパターンがあります。
- 青少年(18未満)に対し淫らな行為、または猥褻な行為をしてはならない。
- 金品などを提供し、またはこれらの提供を約束して性行為または猥褻な行為をしてはならない。
原則的には児童売春(いわゆる援助交際)を取り締まるのが目的で、純粋な恋愛関係における性交渉を咎めるものでこのあたりの誤解や解釈の違いが未だに議論を呼んでいます。
本人たちが愛し合っていると言っても、警察がそれを認めない場合は逮捕される危険性があるという事です。
詳しくは各都道府県の条例を参考にして下さい。
http://www.geocities.co.jp/WallStreet-Stock/5556/jourei.html
【7】売春防止法
ちょっとややこしいかもしれませんが「Aさんが自らの管理のもと、Bさんに売春をさせる契約」が罪になるのであって「Cさんが客のDさんと売春をする契約」は罪になりません。
もっと簡単に言うと、
- エッチな女性を紹介します。
- 女の子だけのサークルを作っています。よかったら入会しませんか?
- エッチなパーティを開催しています。
など、第三者が金品の授受を目的に女性を斡旋(紹介)するというように解釈できるメッセージは、売春防止法の(勧誘、斡旋)に抵触するおそれがあるというわけです。
売春防止法には「売春をする目的で勧誘をしてはならない」と記されているだけで、「売春をする契約をしてはならない」とは書いていません。実は売春自体は規制されていないのです。規制されるのはあくまで「売春目的の勧誘」であって、勧誘自体を立証できなければ売春行為自体は処罰されないのです。
ただし、「サポート希望します」などの金品の授受を目的とした書き込みを規制しているサイトはとても多いです。逆に、そういったサイトの方が、管理体制もしっかりしていると私は感じますが。
【8】児童ポルノ禁止法
正式名称を「児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律」と言います。18歳未満の児童に対する買春(かいしゅん)やポルノを防止・処罰し、児童の人権を守る目的で作られた法律です。
この法律ができる前から売春防止法というものはありました。しかし、売春を行った者、勧誘した者、あっせんした者が処罰されるにも関わらず、買春を行った者は処罰されないという矛盾を解消するということも立法理由のひとつと言えるでしょう。
以前は、各都道府県のいわゆる淫行条例で処罰されるのが一般的でしたが、この法律の制定によってより具体的に、より強力に児童買春・ポルノを処罰することが可能になりました。
出会い系サイト規制法が制定されたため、出会い系サイトで18歳未満の児童と知り合う機会は大幅に減少しました。しかし、管理がしっかりと行き届いていないサイトや援助交際、売春などを目的とした書き込みを黙認しているサイトなどでは、女子高生、女子中学生と出会ってしまう可能性はまだ十分にあります。 事実、出会い系サイトで女子高生や女子中学生と知り合って、欲望のおもむくままに事に及んでしまい、児童買春の容疑で逮捕されるという事件が後を絶ちません。出会い系サイトを利用するときは、しっかりと情報を集め、信頼できるサイトを選びましょう。
- 出会い系サイトで18歳未満の女の子を求めるような書き込みをするのはもってのほか。
- 仮に18歳未満と思われる女の子から援助を希望するメールが来ても反応するべきではありません。
- 初めて会うとき「明らかに幼い」と思ったら、事前に年齢を確認してからあれこれしたほうが自分の身のためです。
【9】名誉毀損
名誉毀損とはその名の通り、人や企業の名誉が傷つけられる事を言います。インターネットが普及した今は、掲示板やチャット等での誹謗中傷がとても目立ちますね。
具体的な例としては、
- 他人のメールアドレスや電話番号などの個人情報を、無断で掲示板などに掲載する。
- サイトで知り合った相手の写真を流出させる。
- 他人を誹謗中傷する書き込みをする。
など。
例え、相手が名誉毀損の訴えを出さなかったとしても、常識的に考えてやっていい事といけない事の区別はつきますよね?
では、万が一、自分がその被害に遭ってしまった場合にどうしたらいいのかというと…まずは電話やメールをしてきた人に、どこのサイトで自分の個人情報を見たのかを聞きましょう。そして、そのサイトの管理者に内容を削除するよう依頼してください。それでも気が済まないという方は、記載内容を印字したものなど、被害にあった状況を説明できる詳しい資料を準備して警察や弁護士等に相談しましょう。
また、サイトに掲載した写真・メール交換をしている相手に送った写真が流出しているというような事があった場合も、まずは利用しているサイトの管理者に連絡をしましょう。このような悪質な被害に遭った場合であれば、相手のIPアドレスやドメイン名などの情報を提供してくれるかもしれません。
【10】ストーカー規制法
被害者をストーカー行為から守る為に施行された法律です。「出会い系サイトで知り合った相手にしつこく付き纏われて困る」というような話もよく耳にするこの頃ですが…
ストーカーとみなされる行為は下記の8つです。
- つきまとい・待ち伏せ・押しかけ
- 通学や通勤途中などの行く先々で待ち伏せをしている。歩いてる道の前に立ちふさがり行く手を遮る。自宅や職場、学校などに押しかけるなど。
- 監視していると告げる行為
- 「Aさんと遊ぶのもいいけど、あんまり遅い時間に帰宅しちゃ駄目だよ。」などと、口頭・電話やメール等で告げる事や、ポスト等にメモを入れておくなどの行為。
- 面会、交際の要求
- 拒否しているにもかかわらず、面会や交際、復縁を迫る。または贈り物を受け取るよう要求する事など。
- 乱暴な言動
- 大声で「バカヤロー」などの言葉を浴びせる事や、家の前でクラクションを鳴らす事など。
- 無言電話、連続した電話、ファクシミリ
- 無言電話をかけることや、拒否しているにもかかわらず、短時間に何度も電話をかけたりFAXを送り付ける事など。
- 汚物などの送付
- 汚物や動物の死体など、不愉快や嫌悪感を与えるものを自宅や職場に送り付ける事など。
- 名誉を傷つける
- 誹謗中傷したり、名誉を傷つけるような内容の手紙やメールを送る事など。
- 性的しゅう恥心の侵害
- 猥褻な写真などを自宅に送り付けたり、電話や手紙で卑劣な言葉を告げて辱めようとする事など。
万が一、あなたがこのようなストーカー行為をされたら、最寄りの警察署に相談しましょう。また、警告の申し出以外に、あなたが相手を告訴して、処罰を求めることができます(告訴しなければ検挙することはできません)この罰則は、6月以下の懲役又は50万円以下の罰金です。
【11】特定電子メールの送信の適正化等に関する法律
長い名前ですが、これはつまり、迷惑メールを規制する法律です。迷惑メールを送信する業者に対して、以下の事が義務づけられました。
- メールの件名欄の冒頭に「未承諾広告※」と表示。
- メール本文の最前部に事業者及び送信者の氏名又は、名称及び受信拒否の通知を受けるための電子メールアドレスを表示。
- 任意の場所に送信者の住所及び、電話番号を表示。
これらの表示義務を違反または、表示内容に虚偽がある場合は、違反者として罰せられます。
もし、上記の内容に違反したメールを受け取ったら、財団法人日本データ通信協会の「迷惑メール相談センター」に問い合わせてみて下さい。違反メールの情報提供も呼びかけているので、こういった機関に相談する事で、少しでも迷惑メールが減少すればと思っています。
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